WAKU JEWELRY Blog

和久譲治のジュエリーブログ

 

クリムト展(東京都美術館) & 世紀末ウィーンのグラフィック(目黒区美術館)

 「ベートーヴェン・フリーズ」

 

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(1)「ベートーヴェン・フリーズ」(1901~2) グスタフ・クリムト:クリムト展図録

 

東京都美術館で「クリムト展」が開かれています。クリムト」はじめとして「ウィーン分離派」に見られる表象は、まぎれもなく「形而下の文化史」で現在書いている「古代表象」です。(参照から始まり現在の記事までに、基本的なすべての「ウィーン分離派」に見られる表象は出てきています。)

 

クリムト自身は作品について何も語っていません。彼は作品とただ向き合うことを望んだそうです。私は「ベートーヴェン・フリーズ」に向き合ったとき、作品の完成度とテーマに圧倒されました。

まだ行かれていない方は、ぜひ足をお運びください。私はこの絵に出合い、何日も幸せに浸っています。

この絵のテーマは非常に解りやすく、強くてシンプルです。長くなりそうなので、「ベートーヴェン・フリーズ」についての私見は「形而下の文化史」・トピックスに書くことにします。

 

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 (2)「ベートーヴェン・フリーズ」(1901~2) グスタフ・クリムト:クリムト展図録

 

それと、クリムトを突き動かしていた概念を知りたい方は、もう一つの素晴らしい展示会も見るべきです。

 

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(3)雨の女神

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(3)「shuveron(平衡)の騎士」 エディタ・モーザー 1910年度カレンダー;世紀末  ウィーンのグラフィック図録

 

「目黒区美術館」で開催中の「Graphics in Vienna around 1900(世紀末ウィーンのグラフィック)」展です。クリムト「ベートーヴェン・フリーズ」を解釈するうえで重要な資料が、数多く展示されています。そして意外な「ウィーン分離派のグラフィック・デザイン」の始まりを知ることができます。

それと、「目黒区美術館」に行かれた方は、二階正面に置かれた二体の女神・頭部に表された「青色の雨の表象」を見落とさないでください。

又、東京都美術館に行かれた方は「ベートーヴェン・フリーズ」で一番重要な部分・  写真(4)を、決して見流さないでよく見てください。

 

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  (4)「ベートーヴェン・フリーズ」(1901~2) グスタフ・クリムト:クリムト展図録

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「輝く雨の表象」をもつ本からは、「手(雨の表象)」と「渦巻(生命の表象)」が現れている。(参照1)

  (参照2)

 クリムトは「雨による平衡の女神(ここでは雨・女神と平衡・黄金の騎士は別々に描かれています。)」に助けを求める女性に(写真・1)、自由になるためには盲目的な信仰でなく、人間を含めた自然界を理性的に理解することを求めています(啓蒙主義)。写真(4)

ベートーヴェンが読み、「第九」を書くことを願った「フリードリッヒ・フォン・シラー」の「歓喜に寄す」の真の意味を理解することを、ここでは描いていると考えられます。それが「手(雨の表象)」と「渦巻(生命の表象)」に現れていると思います。ただ、クリムトの絵は、「歓喜に寄す」の概念が生まれる以前の、「雨による平衡の女神」を描いていることが、「ウィーン分離派」の本質を見抜くことにつながると思います。

 

人間を含む自然界は平衡(バランス・調和・豊穣)を取り戻し(きれいに整列した雨の女神達で表現しています)、女神の表象は「雲」と「雨」。

生命は発展する。

そして「歓喜」

 

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  (5)「ベートーヴェン・フリーズ」(1901~2) グスタフ・クリムト:クリムト展図録

 

 

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「輝く雨の表象」をまとう「黄金の騎士」;クリムト展図録

 

こちらの絵では、「黄金の騎士」はヘルメット、やり、馬具、全て「輝く雨」の表象を持ち、「黄金の騎士」が「雨による平衡の女神」であることが分かります。

 

 

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展

国立新美術館

 

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ヨーゼフ2世のモヌメント(ヨーゼフ2世の死後、彼の啓蒙主義などの功績を称えてフリーメイスンが出版した銅版画、ヨーゼフ2世とフリーメイスンの繋がりを示す。

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展図録

 

図録では、フリーメイスンと古代エジプトに関係づけていますが、私はフリーメイスンとコーカサス地方だと考えています。コーカサス地方の山中に残されたピラミッドは、巨石文化へと繋がっていきます。フリーメイスンの初期の顔は「石工組合」ですね。「石を切り、石を曳き、石を積む」部族です。「フリーメイスン」や「Bertha Zuckerkandl(ベルタツッカーカンドル)」女史など「ユダヤ人(ウィーンの)」なくして古代表象をグラフィックデザインとして使った「ウィーン分離派」は存在しません。そしてユダヤ人もコーカサス地方の一部族です。

 ちなみに、2万6千年頃レバント地方からイランの方に、出アフリカをした部族のY染色体ハプログループは「G1」で、そのうちコーカサス地方で定住し、分岐したハプログループは「G2」です。ユダヤ人は「G2b」で、「G2a」が主に北ヨーロッパや西ヨーロッパに広がったのに対し、「G2b」はそれ以外にパキスタン、インド、東南アジア方面にもひろがっています。インダス文明の主な担い手だと考えています。このハプログループは「G2」の広がりを見れば、コーカサス地方の部族が、「黒海大洪水」や「プロト・インドヨーロッパ語族の到来」から逃れ、世界に広がったことが見えてきます。

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