WAKU JEWELRY Blog

和久譲治のジュエリーブログ

 

WAKUコレクション(20)18世紀フランドルジュエリー

 

ペースト、金、銀

 

特徴的な北フランス・フランドルジュエリーです。彫の部分、リボンのサイド、クロスの裏面には金の薄板が張っています。そのため見た目より重量があります。そして何より面白いのはペーストが18世紀特有の「Proto-Single cuts」されていることです。上の写真でも石のテーブルは四辺形なのに、石枠は楕円形になっています。下の写真中央のカットです。テーブルは四辺形、ガードルは楕円なのです。買った状態のまま撮影しましたが、彫の表面をアルコールで拭くと綺麗になりました。品位は不明ですが金に間違いありません。張り合わせ境界線も綺麗です。大きさ(65x35mm)と重さ(10.4g)は日常的に着用っされるために作られたことを表しています。豊かで、マリア信仰(旧女神と重ねる)の強かった北フランスらしい、リボン(蛇の表象)をあしらった華やかなクロスです。

 

18,19世紀のSingle cuts   左からの3番目まではProto-Single cuts;Diamond Cuts in Historic Jewellery

WAKUコレクション(19)

 

1879's フランス エナメルジュエリー

 

トルコ石、シードパール、エナメル、シルバーペンダント

 

WAKUUコレクション(18)と同じ時代の作品です。ジュエリーとしての完成度を極めた作品です。高品質のトルコ石をミルを転がして石留しています。光沢のある淡いブルーがきれいです。ケシ粒パールは覆輪とpave settingに完璧に石留されています。エナメル細工も丁寧で、総じて良い職人の技術が伺えます。それだけにWAKUUコレクション(18)の様な遊び心は少なく、厳粛さを感じます。生真面目で、腕の良い、熟練した職人の自信作だと感じます。

 

 

裏のつくりは建築的で、非常によく構築されています。

 

 

 

 

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