WAKU JEWELRY Blog

和久譲治のジュエリーブログ

 

散歩道

 

 

 

今日は 作業用顕微鏡で金属原型の細部の修復

しょぼしょぼの目で散歩

気分を変えていつもと違う道

百日紅サルスベリに包まれた

 

修復作業

ワクジュエリーメイキングの頃、銀のより線をロー付けして作ったリボンです。石枠用に開けていた穴を、銀線をロー付けして塞ぎ、表面のテクスチャーを彫り直しました。(どこか分かりますか)グレイバー(洋彫りタガネ)でのこのような技術は、もう消滅しかけています。3Dプリンターなどで効率化しています。洋彫りは楽しいです。心身の集中が心地良いのです。優しさなどのゆらぎが表現できます。先のない老人に残された楽しみです。ちょっと幸せ

 

WAKUコレクション(16)

1600年代後半・ガーネットペンダント

 

私のコレクションに共通する特色ですが、中でも歴史的・技術的に見て興味を惹かれる作品です。デザイン、宝石のカットは明確に1600年代のものです。以前にも紹介したルイ14世やマゼランの時代です。(参照)

宝石のカットはコレクション(5)より少し古いか、未熟なcutterの仕事です。

それにもましてブローチの裏面は、当時のスペイン、ポルトガルの作品とは大きく違っています。スペイン、ポルトガルの作品は、厚みのある金属の板を糸鋸で切り抜き、表から宝石を板に彫留めます。金属に宝石の穴を掘り、埋め込み、最後に裏表に飾彫りやエナメルを施します。

この作品は石枠、組み立て、すべて薄板と線材で立体に組み立てています。

古来、ローマ帝国崩壊後の線状細工が、ルネサンススタイルになりその技術がドイツに伝わったものです。日本の彫金技法と似ています。その後、スペイン、ポルトガルにインド由来の彫留めが発達します。(大航海時代)

つまり、当時スペイン、ポルトガルで流行していたデザインを、スペイン、ポルトガルと違う技法で作ったものです。金属の小花は白エナメルが施されていたと思います。当時スペイン、ポルトガルの作品にもエナメルが施されていましたが、この作品のエナメルはルネサンスのテイストを感じます。ドイツとポルトガルの融合にハプスブルグ家を考えてしまいます。

コレクション(5)と同じ年代のものです。見比べてください。

1600年代中葉・ガーネットペンダント

 

 

 

初期のtablet cutされたクオーツ(四角)

 

 

Portrait cutのガーネット

 

石枠は彫金と同じように、底が有るように作られているので、後ろのドームは飾りです。スペイン、ポルトガル、フランスなどの彫留め技法のスタイルを模した作りになっています。

散歩道

 

 

今日は久しぶりにsilverを彫った 得意のキラキラbright cutだ

 

 

仕事が終わり こわばった肩を癒すため 散歩に行った

 



三日間徹夜で仕事ができた身体が たった30分の散歩で 汗ばんでる

風強し 汗を飛ばし 爽快

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